スーパー戦隊シリーズ第五弾は男ばかり三人の「太陽戦隊サンバルカン」です。熱血 クール 力持ち 女性 少年の通常の5人戦隊を「超電磁ロボコンバトラーV」「超電磁マシンボルテスV」に喩えるなら、サンバルカンチームは「宇宙大帝ゴッドシグマ」でしょうか。歴代で唯一女性不在の戦隊ですが、3人が所属する防衛組織の長官の娘が一応ヒロインという事でレギュラー出演しています。
敵組織は地底帝国ブラックマグマ、週替わりで登場する敵キャラクターは「機械生命体」と呼ばれ、ネームの語尾は「モンガー」で統一されます。メカと生命体組織を融合させた生物兵器と考えられ、「スパーダーマン」のマシーンベムの発展系(どちらも怒りで巨大化するし)の様にも思えます。
初期は「ジムシモンガー」「シイラモンガー」「ナウマンモンガー「「トリモンガー」と、動物モチーフが続きますが。その後はモチーフも実に多様化し、「キカイモンガー」「トビバコモンガー」「メカメカモンガー」といったアイテムモチーフ、「ヤキュウモンガー」「レスラーモンガー」「ボクサーモンガー」「ファイターモンガー」といったスポーツモチーフ、更には「ノロイモンガー」「ペッタンモンガー」「タイムモンガー」「ハラペコモンガー」といったカオスなモチーフまで。勿論、動物モチーフもまだまだ多く登場します。最終回には巨大ロボキングマグマー(対決シーンが短すぎて勿体無い、もっと活躍させて欲しかった)という、前作品「電子戦隊デンジマン」におけるバンリキモンスの様なイレギュラーな敵とも戦いました。活躍が少なかったのが些か不満ではありましたが、次作「大戦隊ゴーグルV」に「マグマコング」と名を変えて再登場させたら或る意味面白かったでしょう。
また。「イナズマギンガー」という孤高の傭兵キャラも登場します。(劇場版「宇宙刑事シャイダー」にも同様のキャラが!)でも、ラストで洗脳を兼ねてイナズマモンガーにされたのは必然性も無く!!!でしたね。
造形デザインセンスについては個々には「ここをこうした方がもっと良い」という不満もありますが、全体的には「可もなく不可もない」といったところでしょう。
あと、ダースベーダー意匠の最高幹部ヘルサターン総統。前作「デンジマン」から続投で、コスチュームを一新のへドリアン女王。「宇宙刑事シャイダー」のギャル軍団にも繋がるゼロガールズ。「スパーダーマン」の鉄十字軍最高幹部アマゾネスのキャラをまんま受け継いだアマゾンキラー。そして何と言っても、「大鉄人17」のビッグブレインを彷彿とさせる巨大コンピューターでラスボスのブラックマグマ皇帝。
全体的な作風としては、たとえば「バトルフィーバーJ」がサスペンス性を、「デンジマン」が怪奇性を強調していたのに対して、「サンバルカン」はストレートなパワーを感じさせる作品に仕上がっていた、というイメージが強かったですね。